モリサワ「DTP環境の効率化アップセミナー」(2008.10.9)

モリサワDTP環境の効率化アップセミナー」(2008.10.9) †


1. 日時 2008年10月9日 午後1時30分〜午後5時30分 †

2. 場所 モリサワ東京本社9F †

3. 講師 株式会社カムロックシステムズ 百合 智夫氏 †

株式会社カムロックシステムズ 百合 智夫(ゆり ともお)アドビ システムズ株式会社に10年在籍,その間InDesignCreative Suiteの立ち上げに大きく関わり,その後アップルジャパン株式会社へ。アップルではクリエイティブ・マーケットへのIntel Mac訴求活動に従事。この3月からデジタル・ワークフロー・アドバイザーとして独立。


4. 内容 †

第一部:最新DTP環境のご紹介と移行時の注意点 †



Mac OS X Leopard を使用した作業効率化アップ †

* classic(疑似OS9)をサポートしない


OS9を起動するG4でもG5でもLeopardを入れてしまうとclassic環境は作れない。つまりclassicのソフトは認識しない。Qxp3.3で作ったファイルも白紙アイコンになる。OSで理解できないためApple的にOS9は完全に終了したということだ。

o 過去の環境(G4のサポート終了)ビンテージ製品とオブソリート製品http://support.apple.com/kb/HT1752?viewlocale=ja_JP

本来はディストリビュータ(卸売業者または販売代理店)向けに部品サポート・発注出来なくなりますよという案内で作成されたページだがエンドユーザも見れるページ。このページはAppleが,もう修理はしないよ!というマシンの一覧が載っている。修理をしないということは部品供給も一切しません!ということになる。


日本語のページでは“最終変更日時: 25 July, 2008”と更新が止まっているが実際には英語のページで“最終変更日時: 18 September, 2008”になっている。要するに,このページは英語,日本語,なんとか語となっているがAppleアメリカの会社なので英語の状態のモノが最新で,それを各国がローカライズする仕事を請け負っている。AdobeAppleもこれは同じ。


よって実際に行使されているのは英語表記の方であり,一番あたらしく,正しい情報。そして英語で書いているからアメリカ向けというわけではなく,日本のマーケットに対してのことも書かれており,下の方を見てもらうとわかるが,ちゃんと“JAPAN”と書かれている。要するに,ここに書かれている一覧が日本での修理サポートを終了しているということだ。


その中にPowerMac G4の最後でありOS9で最終に起動していた唯一のマシンであるミラードドライブドアの“PowerMac G4 (Mirrored Drive Doors)”が,9月18日をもってサポートを終了している。なにかが壊れても,もう部品の供給はない。修理不可能。持ち込もうと思っても問い合わせをしてもダメですよっと言われる。だいたいAppleの場合には修理部品だけをディストリビュータ(卸売業者または販売代理店)やディーラー(小売する事業者,販売店)に渡すわけではないのでディーラーで,その部品を確保しているというのは,ほとんどない。持っているというところのは,中古のを分解してパーツ取りしているクラシックカーのようなレベル。

+ 手前に四つ穴が空いているマシンがミラードドライブドアPowerMac G4 (Mirrored Drive Doors)”,その一個前で穴が一つなのがクイックシルバーPowerMac G4 (QuickSilver)”,穴の開いてないのがもっと前のである。


今後の仕事を考えても,まだ使うケースがあるだろうから大切に使って,10台あるなら5台は壊れたときなどの部品供給用にストックしておくというのも手だ。新しい環境を用意して,巧く併用していかないとスパーンと仕事が出来なくなり納期が遅れる等,対応できなくなるというケースが出てくるだろう。


そういうサポートのことを考えていこう。

* 新しい環境(10.5Leopard)昨年(2007)の10月で1年経った。OSにどんな機能がついたか?++Time Machine(タイムマシン)バックアップを簡単に出来る機能マック系の雑誌でTOP1,2を争うほど載る新機能である。あまり見れる機能ではないが今回はこれを実際に動かしてみせる。


AdobeVersion Cue(バージョンキュー)と比較して講師がAdobe時代に一番説明が難しかったプロダクトでCreativeSuiteをインストールすると入る機能。正直な話をしてしまうとCreativeSuiteというのはPhotoshop,Illustrator,Indesignといった一緒のパッケージの商品だが,それだけを商品にしてしまうと単純に抱き合わせ商売になってしまう。Photoshop,Illustratorだけ欲しいのにIndesignが付いてきて「うーん・・」みたいに言われたことが多々あったが,そういったものにならないように共通にアプリケーションでいろんなことが出来るようなものがVersion CueAdobe Bridgeである。Adobe Bridgeに関してはPhotoshopだけ買っても付いてくる商品だが明確なものとしてはVersion Cueとなる。GoLiveに元々付いていたワークグループという機能をCreativeSuite用に変えて,名前もVersion Cueというのに変えた。ハードディスクのある一部分をサーバみたいなイメージでブラックボックスとして使ってしまって,そこにファイルをセーブしてXMLタグ管理でファイルに一つ一つタグを付けて同じ名前でも上位の階層を付けて,いろいろ確保しようというような,なかなか理解しづらいものだがハードディスクのエリアをブラックボックス的に使うので容量がどれくらいか?とか何かあったときにそこから出すというのが非常に手間だったりするようなモノだった。それがソフトウェアメーカが考えるとこういうカタチになる。


では,ハードウェアメーカが考えるとどういうモノになるかというと非常にAppleが考えたのは簡単な仕組み。Version Cueと同じシステム環境設定にタイムマシンというものがあり,ここでスイッチを入れるか切るかだけ。“入れる”にしておくと新しいHD(ハードディスク)を買ってきてつなぐとタイムマシンが『バックアップ用に使いますか?』とアラートが出る。そこで“使います”というボタンを押すとデスクトップにタイムマシンバックアップというHDがマウントされる。そうしたらば,そのまま何も設定しなければ,このハードウェアの中身をゴッソリ一時間づつ自動的にバックアップする。実演してみせるが,今回は全国を歩き回るときにHDを持ち歩くのが嫌だったので,ちょっと大きめのUSBメモリ(8GB)を挿している。USBメモリもバックアップデータとして使えるがUSBメモリでバックアップだとシステム全体をバックアップは取れないので任意なところにしたい場合は“オプション”を押すと任意なところだけバックアップが取れる。メインメニューバーのところから“今すぐバックアップ”を行えば,すぐにバックアップが取れる。


リストアは,一時間ごとの軸を手前と奥で再現している大事なファイルをゴミ箱に間違って捨ててしまった場合,過去に戻って選んで画面右下の“復元”を押すだけで,そのファイルを過去から現在にギューンっと持ってきてくれる。よくありがちなのが「バックアップを取らなきゃ取らなきゃ」としている内にバックアップを取り忘れてしまう。「バックアップ取ったぁ」としても間が空いてしまって,「ココとココの間の時のデータが欲しかったのに」というのがあるが,自分でやるんじゃなくて勝手にやってくれるというもの。なおかつ,サーバとかバックアップというのは容量を気にする時があるがコレは容量を気にしなくていい。結局,差分で全部コピーしていくので,その分だけ増やしていってくれる。なおかつ,古くなっていったデータは古い順で自動的に削除していってくれる。なので,自分で監視して「コレを削除しなきゃなぁ」というのがなく,巧い具合にバックアップを取ってくれる。サーバを組んでる場合は大元でバックアップ,ローカルの自分の端末は自分の端末の中にバックアップというようなことが出来るので非常に,お客さんのときのデータで「あの時の」というのが時系列を追って管理できるから,どの段階でどういったデータ修正があったか確認も出来る。非常に便利。一時間ごとに単純に複製しているわけではないので容量も使わない。だから,1TBくらいの外付けHDなんかをバックアップにしておけばシステムごとバックアップ出来るので管理しやすくなるだろう。---Apple公式での見解「Time Machine では,過去 24 時間は毎時間,過去 1 カ月間は毎日,1 カ月を過ぎたらバックアップディスクが一杯になるまで毎週,バックアップが自動的に行われます。」とのこと

1. Boot Camp(ブートキャンプ)1台のMacWindowsまで動かしてしまいましょうというもの。元々IntelのCPUを積んでるからWindowsのPCとしてふつうに動かせてしまう。パフォーマンスもそのままダイレクトに使えるのでふつうにお使いいただける。いままではWindowsのデータ入稿があっただとかWindowsのOfficeのデータだからWindowsの端末を買わなくちゃいけないだとかそういうことをやっていたと思うが,べつにそういうことをやっていく必要がなくて同じマウスを握りながらreboot(再起動)するだけでWindowsになってしまう“ユーティリティ”フォルダの中に“Boot Camp アシスタント”というアプリケーションがあり最初の一回だけ使ってハードディスクのパーティッションを切る。残念なことにあまり説明書きはないのだけど外付けのHDをくっつけてソコにWindowsを入れたいなと思ってもそれはダメ。あくまでも端末の中に入っているHDでブートを分けて行うというカタチなんでUSBとかFireWireとかで繋げた外のHDにWindowsXPを入れてブートキャンプでrebootというのは出来ない。あくまでも中のHDで作成する。ブートキャンプで分けるとWindowsXPを入れてくださいと出てくるのでスンナリふつうに入る。あとは“システム環境設定”の“起動ディスク”の中を見ていただくとMac,Windowsと出ているのでどっちか選んで再起動としてもらえばブートする。あとは一度起動させてしまうと次もWindowsならWindowsになってしまうのでWindowsのコントロールパネルからWindowsで起動するかMacで起動するか選ばなくてはいけないのだけれど,常にMacで時々WindowsというのであればOptionキーを押しながら起動してあげると左側がMac,右側がWindowsとなり矢印キーの右左でどちらか好きな方を選んでエンターキーを押してあげる。ここでVMwareParallelsというようなものを入れていただくとMac上でWindowsが起動する。昔のVirtual PCみたいな感覚。Virtual PCというと皆さんニヤッと「あんな遅いもの」とするが,あれは実際にはPowerPCのCPUをVirtual PCが擬似的にPentiumIIとして置き換えて演算して作業していた。なので,PowerPCでOSを起動している上にさらにWindowsのOSが起動して指示を与えるためには擬似的なPentiumIIに演算をさせるカタチで通訳x通訳みたいなカタチでPowerPCを動かしていたので,人間でいうところの三人くらいおんぶしながら動きながら作業しているようなイメージだった。しかし,ブートキャンプに関してはMacの動いているところの違う部分でVMwareParallelsを起動させるとダイレクトでインテルのCPUに指示を与える。だから,通訳とかではなく,あくまでも仮想環境とはいっているが実際にすぐに指示をだすためMacOSを介すとかそういうのではない。非常にパフォーマンスよく動く。ただ確実に意識していただきたいのはMacとこういった仮想環境を利用するとメモリを分担するのでメモリは必ず増設してほしい。もし2GBくらいのメモリでVMwareParallelsを起動させて「なんだやっぱり遅いじゃないか」それは遅くなる。2GB分のメモリをMacWindowsで分けているから。各々2GBづつ計4GBくらい入れておくのがベスト。そうすると普通に使える。Photoshopなんか起ちあげても非常に早く動く。

2. Spaces(スペーシス)Boot Campのような機能が出てくるとWindowsと画面の切り替えがしたいな,というような機会が出てきたのが,このSpacesという機能。ようするに画面を複数に分けてオペレーションしようというようなカタチになり,第一画面はメールだとかインターネットのブラウザだとか,第二画面はAdobe製品のようなクリエイティブな作業。そして第三画面はWindowsでの作業といったことが出来る。これもシステム環境設定設定でアプリケーションを宛がうだけ。最大で四つまで画面を増やすことが出来る。どのアプリケーションが1で,作業スペースが2でといったマッピングが出来る。

3. Quick Look(クイックルック)プレビュースタックの機能。たとえばデジタルカメラで撮影したデータを入れたときにAdobe Bridgeとかいちいちアプリケーションを起動するのは面倒くさいといったような場合には,例えばフォルダの中身の写真を見ると写真が一杯入っている,この一杯写真が入っているなかで「特定のものだけをちょっと見たいな」といった場合は,選択したあとに指一本のスペースバーを押すと写真がぜんぶプレビューで見れる。インデックスシートですべてを見ることも出来る。これが優れているのは写真だけではなくて,よく一杯あるファイルの中でPDFが「どんな内容だったけなぁ」ちょっと名前が違うだけで,どこが違うのか,ダブルクリックするとアプリケーションが起ち上がってしまうがスペースバーを押すとQuick Lookですぐに見ることが出来る。表紙のページだけ見れるのではなく全部のページを見ることが出来るので非常に便利。拡大等も出来る。ただIndesignだとか内部解析できるわけじゃないのでIllustratorとかは見れない。ただPhhotoshopに関しては見ることが出来る。


InDesign CS3 とQuarkXPress 8 の比較 †

1. QuarkXPress87月末にQuarkXPressの発売を開始した。満を持して登場し,過去の資産を生かした効率的作業環境,今まで作ってあったQuarkXPress3.3やQuarkXPress4.1のデータを移行しやすく機能も盛りだくさん。過去の扱いやすさを継承しながらOpenTypeにフル対応しながら,AI/PSDなどといったネイティブデータの対応など最新のテクノロジーを十二分に盛り込んだ状態で出てきたので非常に使い勝手がいい。旧環境から新しい環境への移行で問題だったのは,この辺の問題だったと思う。IllustratorIllustrator,PhotoshopPhotoshopといくが「QuarkXPressをPDFワークフローにするにはIndesignが良いって聞くしぃ〜」「って聞くんだけど別にIndesignを使ってたわけじゃないし」「う〜んIndesignに移行するには勇気がいるなぁ」といった部分でQuarkXPress8が出てきたのでコレはコレ,ソレはソレといったアップグレードの方法がいっぱい出てきた。Indesignの機能が良いといったメリットを最大限で生かすのであればIndesignにいくのもアリだし,旧バージョンのデータをすぐに利用したいといったカタチを生かすのであればQuarkXPress8 にいけばいい。Adobeは「Indesignはいいですよ,Indesignを使ってください」といったメーカー主導的なモノの見方より,やっとユーザー側からして「どの道がいいんだ」といった選べる道が出来上がってきた。なので,正しいモノの見方を判断して好きな方にいけばよい。両方えらんで元のデータはなんなのか?新規で作るのか?継承するのか?といったケースバイケースに応じてのやり方なんかも出来るようにやっとなったと思う。--三つのポイント+++古いデータを持っていた場合どうするか?3.3のデータがあったとする。見事にアイコンが真っ白。Leopardで認識しないため。これをQuarkXPress8で開くとデータの中身をコンバートする。画像の部分はあまり気にするところではないが,やっぱり気になるのはテキストの部分だが,ちゃんと組が保たれIllustratorのようにアラートが出るようなこともなく普通に編集が出来る。いままでのQuarkXPressような感覚で使っていける。3.3の入稿があった場合で手元に4.1があるんだけども環境のマシンをインテルに変えたいなというのであれば,無理して3.3のデータを4.1で開くのではなく8で開いて作業していただくというのがいいんではないかと思う。無理に3.3用に4.1を残すのではなくて8に進んでよい。Indesignでも3.3と4.1 は読み込むことが出来るが6.1以上は読み込むことは出来ない。Indesignで読み込むと組が乱れてしまうが,違う会社の違うアプリケーションなのでよくやっているほうだと思う。しかし,やっぱりオーバーフローしてしまったり等のトラブルが出てくる。QuarkXPressIndesignで読めるというのは分かっているが,たとえば海外ではIndesignのデータをQuarkXPressで開くためのエクステンションというのが出ている。日本の場合は古いQuarkXPressのファイルをIndesignで開くというのが主体的に伝わっているが欧米では逆にIndesignのファイルをQuarkXPressにコンバートしたりしている。このエクステンションはQuarkXPress6.5対応でIndesignCS3まで対応しているもの。こういったものを販売しているサイトがあるということに関してデータの行き来が両方存在する。あとは皆さんの使い勝手になってくると思う。

1. 使い勝手の比較ひとつめはグリッド設定。QuarkXPressの8からグリッドが付いた。グリッドを使ってテキストの配置が出来るようになっている。Indesignにも元々そういう性能を持っている。このグリッド設定,似ているが実際には,まるで方式が違う。Indesignのグリッドに慣れている方はQuarkXPressのグリッドの扱いに「あれ?」と思ってしまうかもしれないこれからグリッドを使い始める方はQuarkXPressの方が分かりやすいかもしれない。Indesignの場合は新規ドキュメントを作成する場合に“マージン段組”か“レイアウトグリッド”を選択するカタチ。“マージン段組”をえらべば昔のQuarkXPressPageMakerのような扱い。“レイアウトグリッド”をえらべば級数に応じてグリッドに一括で何送り等でやっていくことが出来る。なので最初に設定を決める。


それに対してQuarkXPressのほうはどうかというと新規作成の時にグリッドの設定は無く“グリッドスタイル”という機能で行っていくのと同時にページに対しては“ページグリッド”を用いて行える。これは良く出来ていて,たとえばQuarkXPress8からグリッドが付いている。Indesignのように一番始めのバージョンからグリッドが付いていればいいのだが,QuarkXPressの場合は過去のデータを読み込むことがあるわけだが,過去のデータをコンバートしたあとにグリッドでコントロールしていきたいといった場合に,このように後づけのほうがいくらでも新しくしていけるわけだ。Indesignの場合は最初からグリッドとして「グリッドで作るぞ」といった意気込みが必要だがQuarkXPressの場合は途中からいくらでも変えられる可変タイプ。自由度に関してはQuarkXPressの方が自由度はある。ただ,先割のタイプで文字数が決まっていてコラムでどんどん作っていってテキストを流し込みレイアウトを絶対に維持するような方法だとIndesignの方が有利。製品の趣向を独断と偏見で比べるならば,出版物でも文字の多い縦組での小説のようなモノを組んでいくのはIndesignのほうが得意。商業印刷物である程度キャプションが入ったりコラムが変わっていくようなもののほうはQuarkXPressの考え方のほうが使いやすい。もちろん以前にどちらを使っていたかで使っていたモノの方が使いやすいのは当然なんで,無理なく難なく新しい環境に移行できる。

2. 親和性Indesignに関してはAdobe製品なのでIllustrator等との連携に強いのが売りなのだがおどろきなことにQuarkXPressIllustratorPhotoshopとの親和性が高くなっている。Photoshopのデータを配置してみる。Photoshopのバージョン3からレイヤー機能が付いてレイヤーでいろんなことが出来るようになっているがEPSで保存するときは必ずレイヤーを削除しなければならないので画像修正をするときは必ず元データを取っておかなければならなかった。それを配置するのにEPSだったからダメだったのであって,ネイティブで貼ってしまえば自由にオリジナルのPhotoshopデータからやり直しが効く。そういったところを巧く融合しようよ,ということでIndesignでは採用したんだが今回QuarkXPressでもそれを出来るようなっている。Indesignでは配置の際に“配置オプション”で読み込む際に,どのレイヤーをどのように表示して配置するかを選ぶことができ,また配置した後でも同じことを画像の情報のところで変え管理する事が出来る。これがIndesignの特権だったのだがQuarkXPressでも出来るようになった。AIなどのネイティブデータを貼れることが出来る。ふつうにAdobe製品のデータを取り扱うことが出来るようになっている。さらにドロップシャドウ等透明効果を使用することが出来る。

2. Illustrator 8/10 からIllustrator CS3 への移行Adobeのアップグレードポリシーとして3世代前までしかサポートしない。アドビ システムズが「アップグレードポリシー変更について」を案内しており,OS9最後のAdobe製品でありOSXとの架け橋だった「Illustrator 10」ユーザーの場合,米国で既に発表済みの次期バージョンのIllustrator CS4が日本で発売された場合,アップグレードが不可能となり,新規パッケージを購入しなければならないと説明した。


フォント環境:JISX0213:2000 とJISX0213:2004 の比較 †

http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0004964/[�O�������N]


平成16年2月20日経済産業省からプレス発行された。これによりそれまでのJIS90から168文字変更された。これに関しては経済産業省のサイトで“JIS漢字コード表の改正について”からPDFが配布されている。Windows Vistaでは,「MS明朝」「MSゴシック」をこちらの字形に変えてしまった。そのため昔作っていた「MS明朝」「MSゴシック」をVistaで開くと勝手に168文字すべて変わってしまう。DTPでそんなことは絶対あってはいけないこと。ただ「MS明朝」「MSゴシック」はマイクロソフトなのでどうしようもないが,モリサワAdobeAppleは字形名称を変えようということで新しいのは“Pr6N”と名前を変えてある。これでWindows Vistaのような問題は起きず,書体を変えるだけで選べるようにしてある。だから“Pr6N”は“Pr6N”で,“Pr6”は“Pr6”で開くことでトラブルは起きないといった状況になっている。つまり,官公庁系の仕事であれば,この“Pr6N”を使えばいいのであって,それ以外のものであれば“Pr6”を使えばトラブルは全く起きないという配慮だ。


第二部:PDFに関する最適な運用方法 †

Acrobat を利用して可能にする印刷用PDF 作成方法 †

(Word やExcel,Power Point データのPDF 活用)-Excel,Power Point,Word等のMSOfice製品からのRGB-PDFをAcrobat8/9の機能で正常な印刷用PDFに修正することがある程度できる。


第三部:最新のプリンティング環境 †

出力線数と画像解像度の関係 †

出力線数x2がデータの解像度というのは皆さんご存知かと思いますが,ほとんどの製品がアメリカ製。アメリカの常識が製品に盛り込まれている。印刷というものは世界で違う。印刷で一番うるさい国はドイツ。ドイツがいちばん機械工業部分が発展している部分でもある。ドイツとほぼ同じくらいうるさいのが日本。一番ゆるいのがアメリカ。その一番ゆるいアメリカがソフトウェアを主導権を握って作っているというのがカギであり注意をしてほしい。そこで表現するのに一番面白いのはトラッピング。日本ではときどき使ったりするが,ドイツでは使わない。「版は絶対ズレないもの」と「ズラしてはいけないもの」という認識がある。出力デバイスメーカーの多くはドイツ製だったりする。ハイデルベルグ等。余談だが講師がAdobe時代,Indesign立ち上げということで出力の責任者をやっていたが,いろんな出力テストということでデバイスメーカーに「Indesignでひとつ流してほしい」とお願いしたのだがIndesign1のときはトラッピング機能はなかった。それがアメリカでは非難囂々だった。そのためIndesign2ではトラッピング機能を付けた。それで出力テストのときに各メーカーで行った際,とくにハイデルベルグですごく怒られた。「トラッピングなんかつけてくれるな」と。「テストの数が増えるじゃないか」「そんなものいらないんだウチは」と。逆にアメリカは“版はズレるもの”と思っている。アメリカに入稿されたことがある方や本屋さんで輸入書のところに行ったことのある方はご存知だと思うがアメリカの雑誌を手にとって「え?これ金だすの?」といったような, よっぽど町中のフリーペーパーの方がキレイだったりするくらい,印刷のクオリティが違う。AdobeにしてもQuarkにしてもベースがアメリカで出来ているということでアメリカの常識というものがはいっていたりする。そのなかで一番ポイントなのが解像度なんですね。日本ではスタンダードとして175線を使う。場合によっては199線もしくは200線を使う。DTPがはじまった当初の上限はだいたい4064ppiが上限だったが,3386ppiで175線,2乗。4064ppiで200線なんかはSCREENで既に出ていたが,だいたいは175線〜200線ということで解像度は350ppiから400ppi。逆に言えば400ppiあれば大丈夫だろうということなのだがアメリカはどんなに高くても150線。なのでデフォルト解像度はぜんぶ300ppiなのだ。製品のいろんなところを見てもらえればわかるのだが,一番わかりやすいのがIllustrator。見ていただきたいのがIllustratorの画像解像度の部分なのだが,たとえば分割プレビューで透明の分割の部分が出てきたりするがラインアートのテキスト分割の部分が400ppiになっているがIllustrator9では見事に300ppiになっている。このIllustrator9は講師がAdobeにいなかったときに出たもので,グラデーションメッシュや透明のテストをしたのだが,やっぱり解像度が足りない。Adobeにもどったときに必ず透明のトラブルの件があるのでIllustratorのバージョン10が出る前に「数字を日本向けの製品はぜんぶ変えてくれ」とU.S.レポートでおねがいして400ppiにしてもらった。なので英語版と日本語版をみたときに出力に関しての部分は全部400ppiにしたつもりだ。なのでIndesignに関しては最初から400ppiになっているハズだ。しかし,プログラムを組んでる人間はバラバラだったりするので,その辺の意見がU.S.のレポートでも通じてなかったところがあったり,あとは変えるということだけで時間がかかったりすることがある。その残ってしまったところが効果メニューのドロップシャドウやドキュメントのラスタライズ効果設定。ここがずーっと300ppiのままなのだ。ただこれは画面解像度と合わせてのラスタライズ効果設定のところなので実際にはピクセルにして出力するのはココではないので,ここの部分を400ppiにしなくてもいいだろうと。あとは“その他”というところで数値を変えられたりするから。だから,ここの部分は300ppiが残ってたりする。あとは,Acrobatのバージョンの6,7,8というのが講師が日本のクリエティブ担当をやっていたが,なるべくIllustratorのこの辺と合わせてほしかったのだが,若干合ってなかったりする。Acrobatはプロダクトとして汎用性が高いのでクリエイティブの意見がぜんぶ通るかと言われると通らなかったりするので,ちょっと300ppiというのが残ってたりする部分が多少のこってたりする。とくにPDF/X-1aなんかはアメリカでいろいろなムーブがあって出てきたものだがレゾリューションが300ppiだったりするので,その辺は注意してほしい。あと圧縮なんかの数値も「450ppi以上のものは300ppiにする」だったりするので注意。なので,出力解像度の部分などは皆さんが知っている知識なんかもあるのだが,それが製品の常識として必ずしもなっていない場合があるので,その辺は出力してみてチェックしてもらえればと思う。そのほかにも地図の印刷などは平気で300線等を使うが,今のままだと等高線など線数が低かったりするとキチンと出なかったりするので調整が必要。


ファイルフォーマット †

あとは解像度に応じたカタチでファイルを作っていくファイルフォーマットの話をしていくと,たとえばココにA4の表紙にベタンと使う画像が貼付けてあるが,A4よりちょっと大きい状態。このピクセル数が350ppiを保ってCMYKで変換をするとPixelの値の絶対数が決まるので,だいたいCMYKだと50MBくらいになる。それを各フォーマットで保存するとどのくらい差があるのか?いままでの当たり前といわれていたEPSで保存してしまうと,どのくらいになってしまうのか。EPSというのは凄く大きくなってしまうので73.9MB。ようするにPhotoshopで開いたオリジナルのファイルのサイズよりも大きくなってしまう。これはなぜか?Postscriptというのは,ぜんぶ演算したカタチでのテキストベースになってしまうので付随する機能がたくさんあるのだ。なのでファイルサイズがメチャメチャ重くなります。さらに見えるようにプレビューをつけたりするからファイルサイズは非常に大きくなる。で,このEPSというのはアン・カプセルド・スクリプトファイルの略で,アンというのはエンで,アンだと〜ではない。になってしまうのでエンだね。カプセル化されたポストスクリプトファイルとなる。ようするにページ記述言語なのだがページ概念を取っ払ったポストスクリプトファイル。ようするに単一でオブジェクト思考のポストスクリプトというのが,このEPSなのだ。なのでポストスクリプトというのは印刷に特化してギチギチのルールになっている。EPSにしてしまうと弄れなくなってしまうというのとファイルが固まってしまうというのがその理由で,ポストスクリプトベースなのだ。なのでEPSというファイルにしてしまうと弄りずらくなってしまうというもの。Photoshopファイルで保存すると8MBだけ小さくなって42MBになる。Photoshopというのは元々ファイルを開いて保存するときに自分のなかで自動圧縮をもっている。JPEGだとかなんだとかではなく自動圧縮を持っている。なんで自動圧縮を持っていてそういう圧縮ができるのか?また50MBが42MBと8MBだったがファイルにより軽くなる。場合によっては32MB減ったり等ある。どういうところで圧縮しているかというと同じような色が集中しているようなエリアが大きいと非常に圧縮できるようになっている。たとえばバック白なんかで周りが真っ白なところにモノがポツンとあるような場合はファイルサイズが閉じるときに小さくなるといったような自動圧縮の機能をもっているので非常に便利なのだ。さらにそれを発展させたようなものがPDF形式だ。PhotoshopでもPDFに準拠したようなものを持っている。ただ,このPhotoshopPDFというのは普通のPDFに似ているが,PDF/X-1aのようなポストスクリプトベースなPDFではない。ほとんどPhotoshopPhotoshopのファイルにさらにzipかJEPGの圧縮形式を使ってガッと圧縮したもの。Photoshopとして保存しかけたものをPDFの殻で閉じているようなもの。だから,ほとんどPhotoshopファイルで圧縮形式をzipかJPEGを使うといったもの。非常に有効的なあつかいが出来る。ちゃんとPDF/X-1aなんかの形式もPhotoshopで出てくるが中身はPhotoshopのままだ。わかりやすいのはレイヤー構造を持ったまま保存できる。しかも透明を含んだ状態でも保存ができる。なので,非常に使い勝手のいいのがこのPhotoshopPDFだ。なので,何ページにもなると小さな画像でもバーンと膨れるわけで如何にファイルサイズが違うかといったところになる。なので,その辺を注意しながらファイルフォーマットを選んでいただくだけで効率化が計れる。


解像度 †

「PDF/X-1a入稿をしてほしいな」というような印刷会社や出力ビューローのところで,なぜPDFで入稿して欲しいのか?昔は貸しポジ屋などでスキャニングしたりだとか,写真は印刷屋で別版で貼ってたとかだったが最近はデジタルカメラが普及したので,高解像度のデジタルカメラで写真を撮って,それをデータとして使って,貼ってでイラストを作る場合が結構ある。そうするとRGBのまま貼って例えばカラーマネジメントの部分でタグ付けでiccプロファイルベースで色を変えるというのは後でやればいいわけで貼るんだけれど,そうしたときにどのサイズでレイアウトするかっていうのを考えるまえにある程度,デジカメで撮るときに一眼とかで大きく,RAWデータじゃなくてJPEGだったとしても大きく撮ると。で実際にIndesignやXPressなどに貼ったときに,レイアウトしていく上でそんなに大きく使わないので小さく縮めるわけで,そうすると如何に解像度が無駄なサイズになるか。とすると本当は5MBくらいで済むようなサイズなのに実際にJPEGじゃなくてCMYKもしくはRGBのまんまでPhotoshopネイティブなんかにしてしまったら20MBとか。不要なサイズが大きくなってしまうことがある。IndesignとかQuarkXPressでそういう写真を使ってレイアウトしていくと保存したときにファイルが1GB以上になってしまったりして「え?まだ8ページしか作ってないのに」みたいな状態に陥る。よくみると画像が全部トリミングとかそういうのをされてないからといったケースがある。その場合にIndesign,XPressのデータをPDF/X-1aに書き出しといったときにレゾリューションを自動で調節してくれるのだ。たとえばIllustratorでファイルの別名で保存でAdobe PDFというのにして,ここで圧縮を見ていただくと450ppi以上の解像度があった場合それを300ppiに落とし込むという機能がついている。だから,どんなにデジタルカメラで大きな画像をボンボン配置してしまってもPDFにするときに,その適切なサイズに直してくれるのだ。機械にまかせて機械でやれるところは機械にやってもらうほうが絶対楽なので,そういうふうにしていただければよいと思う。


Mac OS X における出力環境の設定、OS 9 時の出力との比較 †

OS9のときはシステムフォルダのなかにフォントフォルダがあって,そのなかにフォントを入れてました。あとはATMでフォントをマウントさせる等いろいろあったと思うが基本はシステムフォルダのフォントフォルダ。OSXでもシステムフォルダの中にライブラリの中にフォントフォルダがあるのだが,ここにフォントをあつめる事ができるがココはあまり使わない方がいい。理由は簡単でココのフォントフォルダはシステムが認証してシステムが使うフォントが最初から入っている。たとえばOSXのメニューのフォントだったりとか欧文のLucidaGrandeとか,そういうフォントが入っている。ようするにシステムを稼働させるために常に読み込むフォント。なので,必要に応じて入れるのは良いのだが予めココにポーンと入れておくと非常に重たくなる。なにをするにしても読みにいくのでシステムが重くなって動作とかが遅くなってしまう。メモリを多く使わされてしまうのであまり使わないほうがいい。ただ,ここのフォントフォルダと同じような概念で存在しているんだがシステムというよりアプリケーション寄りになっているのがライブラリフォルダの中のフォントフォルダ。これは,その端末がマルチアカウントになっていてマルチユーザで色々な方が使えるようになっているのだが全員が使えるようになる為のフォントフォルダだ。だからログインネームが誰であろうと誰でも使えるフォント。みんなが同一に使いたい場合はココを使わざるを得ないのでココ入れておく。あとは「自分しか使いたくないなぁ」というのは自分のアカウントの名前のフォルダの中にあるフォントフォルダだ。逆に言うとWindowsに似ているような感覚。Windowsもドキュメントの中のセッティングの中とか各ユーザごとに別れている。あともうひとつAdobeの特性としての管理の方法でAdobe製品をインストールするとバンドルされていて,それがどこに入ってどこで管理しているかというと,このMacintoshというHDの一番上の中を見ていただいたときに,この中のライブラリフォルダの中のアプリケーションサポート。ここに“Adobe”というのがあってこの中にフォントフォルダがある。ここに一杯入る。これは何を示しているかというと,これはAdobe製品だけが見に行くフォントフォルダだ。ようするに,出力の段階でAdobeの製品を使いたいというのであれば,ここにフォントをボーンと入れておけばExcelだとかPower pointだとかMailだとかInternetExplorerだとかでフォントがづらづら〜っと出てくるよねテキストエディットとかで。そんなときにココにあるフォントはAdobeの中に入っているので全然読み込みません。だから非常に軽快に操作ができる。でAdobeの製品なんかのときは一杯フォントを使ったりするしアラートが出てくるのが嫌だという場合はココにさえ入れておけばAdobe製品だけが見に行くところなので,ココに入れておいてもらえばと思う。逆にいえばAdobeがインストールしたフォントはココに入るので,これをさっきのOSXのフォルダに移していただくとAdobe製品でバンドルしているフォントもシステムでも他のアプリケーションでも使えるようになる。でAdobe的には,このCreativeSuiteにバンドルしている書体をAdobeのフォントフォルダから他のフォントフォルダに移して使ってもライセンス違反にはならない。同一端末内であればだが。で,基本的にOS9OSXではフォントドライバといったようなものがOS9と違ってOpenTypeのものが組み込まれているのでATMは全く必要ない。逆にいうとATMというものに関してはOSX用のものは存在しない。ATMはもう今後出てくる事はない。そういった機能をOSXがすでに盛り込んでいるからだ。Windowsに関してはWindows2000からそういったOpenTypeのドライバが入っているので逆にWindowsの方が古いのだ。Windows2000,XP,VistaとOpenTypeドライバが入っているので,そのまま使える。なので,OSXではFont Bookなどのフォント管理ソフトウェアが最初から入っているのでフォント管理なんかはソレを使っていただけたらなと思っている。


PDF を利用した出力方法 †

OS9のときは出力の設定をしようと思うとアップルメニューからセレクタと選び,セレクタの中でLaserWriter8やPSドライバなど選んで,そこにつながっているローカルトークに繋がっているプリンタなどを選択していたと思うのだがOSXではアップルメニューを選んでもセレクタなどは出てこなくて「どうやってプリンタを設定するんだろう?」と思われるだろうが,OSXではOS9のコントロールパネルに該当する“システム環境設定”というのがある。なんで名前変えたんでしょうね?コントロールパネルという名前にしておけば良かったのにと思うんだが“システム環境設定”。この中に“プリントとファクス”。ファックスだと思うんだけどファクスになっているが,これを立ち上げるとダイアログが出てきて繋がってるプリンタがすぐ見れる。そこのプリセットを作ってもいいし,それを設定すれば出来るようになっているので非常に簡単になっている。これはLeopardだが,TigerやそのまえのPantherなどで若干違っていたりする。一番Leopardが簡単になっていると思う。こういう設定なんかをしてしまえば出力の方式なんかが思いっきり違っているので逆にいうとOSXの方が安心して出力が出来る。OS9OSXでの出力の全くの違いはフォントの送信方式の違いがある。もともとOS9自体より,その前の世代の漢字talkといっていた時代からそうなのだが日本語のフォントなんかはメチャメチャ重いわけである。欧文フォントとかは何十KBとかに該当するのに日本語フォントというのは6MBとかするのだ昔から。とすると出力の度にその容量を送るというのはハードウェアのスピード的にもネットワークのスピード的にも当然できるような容量ではないのだ。とすると日本のマーケットで例えばクラシックだとかなんだとかハードにしたってメモリ容量が何メガとかいってる時代だったので全然送れないのでフロントで使うスクリーンフォント,出力で使うプリンタフォントで分けていた。仕組み的にはそんなに難しいことではなくてOS9でフォントメニューを選ぶ。例えば細明朝体。そうすると,これはモリサワリュウミンに該当するので細明朝体と選んで文字を打って出力とすると,そのドキュメントの中に細明朝体を使ったということで細明朝体というのはマッキントッシュフォントネームというものなのだが出力したときにそのドキュメントの中にポストスクリプトフォントネームというのに置き換わってリュウミンR-KL83pvといったカタチで,そのなかの何ていう文字を使ったというのでプリンタに渡る。そうするとプリンタに渡った時点でそのドキュメントの中をみて「あーこの書体を使ってますね」ということで「この書体のプリンタフォントはここにあるから」といってマッピングして出力して使う。とすると何が問題か?プリンタに辿り着いたときにそのフォントが探し当てれない場合,もしくはその書体が無かった場合,文字化けといったものになる。ようするにいままでのOS9での出力というものは画面上で見ている文字と実際に紙として刷って出てくる印字された文字というのは理論上全く別物なのだ。名前で結びつけられた別物なのだ。なので,文字化けといったものが発症してたのだがOSXになってくるとハードウェアのスペックとネットワークのスピードも格段に向上したことによって目でみた画面上で選んだ文字がそのままプリンタにいく,プリンタも探さないでラスタライズして出力するので文字が置き換わらないのだ。バトンを渡すところがなく,そのまま出ちゃうのだ。なので実質的にそのまま印字して出てくる。これがダイナミックダウンロードといった仕組みだ。ある出版社でプリンタのハードディスクが壊れてしまった,でOS9から出力している人間とOSXから出力している人間がいてプリンタハードディスクが壊れているからプリンタフォントを読めないでいるわけだから全部文字化けして出てきてしまう。「あ,プリンタを直さなきゃいけない」「おかしいな」といって取りにいったときに,ちゃんとキレイにプリント出来ているものもあるわけだ。「え?」みたいな話になって聞いてみると,ようするにOSXから出力しているのだ。プリンタフォントがなくても出るというような事が起きたりなんかもあった。じゃあ,そういう仕組み自体どうなっているのかというのを,簡単に話すと例えばダイナミックダウンロードといった出力の形態。Illustratorで文字を打つ。OSXの仕組みとしては“アイウエオ”といった文字に関しては“アイウエオ”とそのままその一字一字を埋め込んで出力する。そして,二行目で“アアア”と打ったとすると出力するときに今のダイナミックダウンロードというのは面白いことをして,この最初の同じ文字を使っている“ア”しか埋め込まない。プリンタに送るとき。サイズが大きくても級数が全然ちがっても。最初に埋め込んだ“ア”を,ここにある座標値に合わせてプリンタのなかでラスタライズする。要は他は全部エイリアスになるのだ。出力とやったその瞬間に。なので「文字が多かったら文字がいっぱい出力するだろう?重くなるじゃないか」と思われがちなのだが重くならない。ページの中で一度使った文字というのは2個目以降,同じフォントであれば級数が違ったとしても座標値しか書かないのでファイルが軽くなる。ぜんぶエイリアスで行われるからだ。だからAcrobatのフォントの埋め込みも同じ仕組みだ。だから,何と比較してほしいかというとアウトラインだ。アウトライン化して出力すると全部ベクトルから絵柄にするのだが,ハッキリいってアウトラインの方が重くなる。しかも修正も出来なくなる。なので出力するときに安全だと思っていたのはOS9までの話でOSXでアウトライン化して出力するというのは逆に言うと非常にもったいないことをしているという仕組みになる。文字化けというもの自体を回避するためにアウトラインをしていたと思うのだが,そういった理屈というのは理論前後存在しないので今のテクノロジー的には,もうアウトラインなんかにするよりも,そのままフォントダウンロードでやってしまって大丈夫だ。仕組み的には,もう何もしなくていいのだ。ただコツとしてひとつだけあるのは,OS9を使ったときでもダイナミックダウンロードはIndesingやIllustratorは実は出来る。プリントのダイアログの中の“フォントをダウンロード”というのがあるので,そこをチェックしてもらえばOS9でもダイナミックダウンロードは一応出来る。で,ここのダウンロードのところで“サブセットのみ”“すべてのフォント”というのがあり「なんだ?サブセットって?」といったよくわからない言葉が時々出てきたりすると思うのだがドキュメント上で使われた文字だけを埋め込むのがサブセットというものになる。で,サブセットの反対語はフルセット。簡単な話。使った文字だけではなく全部の文字を埋め込んで出力するのをフルセットという。この“すべてのフォント”というのはフォントプログラム自体を簡易的にすべてを埋め込んで出力して仮想として認識させて出力させる方法で,これは相当時間がかかるし重たくなるので止めた方が良い。ふつうサブセット。あとは“なし”というのはフォントをダウンロードしないというのになって,これをやるとプリンタフォントが無ければ文字化けしてしまう。これは使う理由がわからない。あとAcrobatなんかになるとサブセットの割合なんかも選べるようになっている。何パーセント以上の割合で使われていたときはサブセット,それ以外はフルセット。完全サブセットにしておけば一番問題ないんじゃないかなと思う。一度テストしてもらえばわかるのだが,最初は不安だろうと思う。とくにOS9以前からの育ちだと新しいテクノロジーが出ると色々テストして非常に不安だった。それでも今は全然まったく途中から意識しなくなる。非常に便利な機能。怖いのが忘れてしまうくらい安定して出力出来る。


透明機能の処理における様々な注意点 †

いままではポストスクリプトというもの自体が透明機能というのを理解していなかった。なのでクリッピングパスというのを作っていた。なぜクリッピングパスというのを使っていたのかというとフチに線を引いて「そのパスの外は見せません。そのパスの中だけ見せます。」といったようなベクトルの数値で管理しないとポストスクリプトというのは理解出来ないので,こういうふうに境目のパスを作っていた。それが今度アプリケーションのほうが発展して,いろいろなアプリケーションで透明を理解出来るようになりPhotoshopの透明な背景なんかを使って出力ができる。じゃあ,そのときにどうするかというと出力するアプリケーション側で分割して透明をポストスクリプトに直して出力するという方法になった。ようするに透明のデータを作ったとすると最終的な出力のデータのときにどうしてるかというと透明じゃない数値に置き換えて出力していると。シアン50%とシアンベタの透明度50%は同じアミ点が出る。ようするに透明というのはIllustratorでオペレーションしているものでしかなくてポストスクリプトとして出力するときには透明なんて関係ないので「その透明で使ったシアンのパーセントを教えろよ」といったカタチになるのでIllustratorが「えー実はシアン50%なんですよ」という状態で出力する。ようするに分割作業というのは置き換えである。一番問題なのは絵面的に問題のないところでトラブルが起きる。透明のかかっている文字だけボールドがかかったように処理されてしまう。なんでボールドの状態で出てくるか?Photoshopのデータを貼付けていると画像の何もないところも“何もない”という情報で処理される。“透明”であると。この“透明”という下に文字が入っているので,この文字に対し透明の処理が走ってしまう。なので,ウィンドウメニューの分割統合メニューで見ると分かるのだが,“影響されるオブジェクト”で字が赤くなっている。で,透明分割の処理が走ってしまうというのは,何をするか?というとアウトライン化をするのだ。アウトライン化してオブジェクトにしてしまう。なので,透明影響下ではアウトラインとして処理されて透明影響下ではないとこはフォントとして出力されてしまうので,当然アウトラインの方が太る。デザイン的には,これを前面にやろうが背面にやろうが全く関係ない,だけど前面にあるときと背面にあるときでは処理が違ってきてトラブルが起きてしまう。で,Adobeのエンジニアが考えたのは「なんとかして同じ状態で出したい」しかし透明の影響で太ってしまう,ではどうしたらいいか。「ん〜痩せさせることは無理だ」ということで透明の影響の無いところも太らせてしまえば同じじゃないか?という逆転の発想がダイアログのなかで“すべてのテキストをアウトラインに変換”というチェックボックスがある。これをかけると全部アウトライン化されるので全部太って出る。カンプとか出したときも違和感なく印刷されるような処理になっている。なので,同じデザインでも前面にあるときと背面にあるときで結果が変わってきてしまうというこになる。この辺を注意していただきたい。